テトテ・ハンドメイド・アワード2015 バッグ部門賞 受賞 アネモネ コロナリアさん

落ち着いた雰囲気でありながら、帆布にあしらわれた刺繍に上品な可愛らしさも感じるアネモネ コロナリアさんのバッグ。実用性もあり、シンプルで細部まで手の行き届いた丁寧な作りが、多くの人の共感を呼びました。

バッグ部門 受賞作品「刺繍ストライプのショルダーバッグ」

アネモネ コロナリア さん

多摩美術大学でプロダクトデザインを専攻後、ショウウィンドウのディスプレイ制作会社に勤務。退社後、鞄の学校で技術を修得し、バッグ作家として独立。「Anemone Coronaria」のブランドを立ち上げ、イベントや百貨店、ギャラリー等に出店。

アネモネ コロナリアさんは、バッグ作りを始める前は、ショウウインドウのディスプレイ制作会社に勤めていたそうですね。次の仕事としてバッグ制作を選ばれたきっかけは何だったのでしょう?

ディスプレイの物作りは、華やかで変化が多く、通りすがりの人が一瞬で目を引くものを作る世界。常に新しく、飽きさせないファインアートの世界は魅力的だったのですが、その反面、どんなに丁寧に作っても2、3週間飾ったらほとんどが捨てられてしまう。制作スタッフの一人でしたので、そこに自分のデザインもありません。次第に自分でデザインしたものを作りたいと思うようになりました。

会社勤めを辞めて、人生をゼロから考え直したとき、特別な技術を必要とする一生向き合える物作りをしたい。自分がいいと思うまで納得できる物作りをしたい。簡単には作れない、奥の深い物づくり、自分が心から欲しいと思う物を作れるようになりたいと思ったのです。

そう思いながら町を歩くと目に入ったのは高そうな鞄。構造がどうなっているのか、どう作られているのか全くわかりませんでした。これが作れたらすごいなぁ、作れたら嬉しいなぁ、と。そう思ったのがきっかけでした。

それで、さっそく鞄の学校で習い始めたのですね。

いざ始めてみると自分が思っていた以上に難しくて、本当に作りたいものが作れるのか不安にもなりましたが、求めようと思えばいくらでも求められる深さがありました。「鞄は20年は作らないとね」という先生からの言葉にも、学ぶことの多さを感じ、一生かけてやる価値を見い出せました。

制作を始めて8年が過ぎますが、今も一生、手が動くまで鞄を作り続けていこうと思う気持ちに変わりはありません。

バッグ作りの本格的な技術を修得し、今では多くのオリジナルを発表しています。アネモネ コロナリアさんのバッグ作りのコンセプトをお聞かせください。

ヴィンテージやアンティークの雰囲気にも合うようなクラシカルな高級感です。その演出には、雰囲気や強度でも革のしっかりとした重厚感は必要不可欠。そこでハードな牛革と繊細なレースという組み合わせのバッグができました。

素材はとことん自分が好きなものだけを集めて作っています。紅茶などで染めたレースやリボン、ヴィンテージパーツやヨーロッパのボタン等を好んで使い、絵を描くように装飾を楽しんでいます。強度が必要な持ち手や底には牛革を使い、全体にも芯材を入れ、自立するバッグを心がけています。

作品を制作するうえで、大切にしているのはどんなことでしょう?

自分の空想の世界観で装飾をイメージし、その世界を最初から最後まで崩さないように気をつけています。装飾は自分の世界を大事にしますが、バッグの形は一人の女性を設定して、その女性のライフスタイルに基づいています。

今後の活動予定や抱負などをお聞かせください。

手作りでも難しく、量産でも難しいオリジナルの手作りバッグを目指して作っていきたいです。今後もイベントに出展し、お客様の声を聞いて、選んでくださった方の特別なバッグになれるように頑張りたいと思います。